君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第5章 Open my heart
学園祭が始まった。
泥門高校の学園祭は2日間。
あたしは学園祭に行けた義理じゃない。
転入して来たばかりなのに何も学園祭の事を手伝わないで堂々と学校に行けるかバカヤロー。
何もしない1日。
たまにはこれもいいかもな。
相変わらず腕は痛む。それに包帯できつく縛っているから手はあまり動かない。でも最近曲げる時の痛みが減った気がする。
いや、触られると凄く痛いんだけども。
時刻は朝の11時。
何もなくのんびりとしている中に1本のメールが入る。
「げ。」
嫌そうな声を出した訳は携帯が受信したメールの相手。
あのヒル魔である。
「休みの時に何の用だし…。」
内心は嬉しいけど、彼からのメールはなんか怖い。
でも開けるしかないから仕方なくメールボックスを開く。
『パソコン持って家に来い』
どうやら呼び出しみたいだ。
──────
私服のあたしはTシャツの上にパーカー、ジーンズというベタでラフな格好をして出歩く。
フードは被り、口には棒付きのキャンディを入れてコンクリートの道を進む。
棒がないキャンディよりも棒付きの方が手に持てるからかなんか安心する。
ちなみに1番好きな飴は「ポップキャンディ」である。
ブドウ味が好き。ポップキャンディに関わらず全ての飴に関して一番好きな味はブドウかもしれない。
閑静な住宅街を1人でスタスタ歩くのは少し寂しい。
歌でも歌ってみようかな。なんて思っているうちに着いてしまった彼の家。
思ったタイミングが遅かったようだ。反省。