君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第4章 Sp 米軍基地
〜Narrator side〜
"アメフトがやりたい。"
栗田の言葉がヒル魔の心を動かしたのだろう。
「おい!糞デブ!今でもまだアメフト諦めちゃねぇんだな?!」
つっかえて基地に入れない栗田を見てヒル魔は銃を地面に付ける。
「…うん!」
気持ちが強くなりガガガガと金網がさらに広がり栗田は米軍基地へと足を踏み入れた。
その様子を見ていた彼女。
最初は波音も楽しくて水泳をやっていた。
けどいつの間にかその気持ちは無くなってしまい強制的にやらされているようで辛かった。
「…あたしも純粋に水泳楽しんでみようかな。」
今となっては栗田がいなかったら水泳を辞めてたかもしれないと彼女は言う。
2人は米軍基地のアメフトに参加した。
けどやっぱり歯が立たなくてボロ負け。
「アメフト部、創るからには絶対勝つ。死んでもクリスマスボウルに行く。」
「え…、もしかして」
栗田は目を見開く。
「覚悟しときやがれ糞デブ。途中で半端なまねしやがったらブチ殺すぞ…!」
彼の目は真剣だった。アメフト本気でやる目だ。
栗田はただただ泣きながら、うん、うんと頷いていた。
遠くから彼女はそれを見詰めていた。
「…時々差し入れすっかな。あたしも。」
中学1年になってから7ヶ月経過していたある快晴の日。
これが後に強豪である泥門デビルバッツになるきっかけであった。