君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第12章 神龍寺ナーガ
「泥門のマネージャーで来てるんだ。邪魔しないでよ。」
「カスチームのマネかよ。天才の癖にお疲れちゃんだなァ。」
「天才とか…違うから辞めろ。」
「そう謙遜すんなって。ま、俺より全然カスだけどな。」
ククク、と笑うドレッド頭の表情は狂っている。
次に扉から出てくるのは運が悪く、うちのチーム。
「…山伏先輩、行きましょう。」
雲水はキャプテンであろう山伏という人に声を掛けてあたしから背を向けた。
「プチっと潰してやるから安心しろよ。」
別れ際に阿含が告げたその言葉がとても怖かった。
「あ、…波音…さん?」
神龍寺ナーガがその場から去ってから躊躇いがちにあたしに近づくのはモン太くんだった。
「…ちょっとゴメンな。」
ダメだ。皆の目の前だけど…無理!
近くにあった空のゴミ箱を思いっきり強く蹴った。
左足で蹴ったゴミ箱は壁にぶつかると跳ね返り宙を舞った。
ガコンと大きな音が鳴る。
突然、あたしがこんな行動したからだと思うが皆の顔が面白いぐらいにビビっている顔をしていた。
「ふー、ちょっとスッキリ。ごめんねぇ。ま、大会まではまだ時間があるから頑張ろう?」
こういう時にする笑顔が1番怖いって後でムサシから怒られてしまった。