第2章 最終兵器 ⚠
スウェーデンに行く前、霜眞は田中とようやく連絡先を交換した。そこから今の部活の状況、学校生活、霜眞がナンパされたか否か連絡を取り合っていた。
特に驚いたのは同級生の西谷夕が1週間の停学と1ヶ月の部活禁止、先輩の東峰旭の休部。
挨拶を交わした程度の関係だが、他の部員と同じく必死に練習していた姿は鮮明に覚えている。その場にいてもいなくてもどうしようもできない状況を、彼女は歯痒く感じていた。
今どうしようもないことを悩んでいても時間の無駄だと考え、とにかく高校1年生1年分の勉強を頑張った。
―――――そして、やっと帰国したはいいが学校についた時はもう放課後。彼女は家に帰らず、荷物を全て持ったまま直接学校に赴いた。
教頭に報告してから、もう練習が始まっているであろう体育館のドアの前に立ちはだかり、重い鉄の扉を全ての荷物を持ったまま、片手で難なく開けながらひょっこり顔を出しつつ挨拶をする。
「失礼しまぁ〜す♪錦川霜眞、ただいま帰国致しましたぁ♪」
開いた扉に全員注目する。
「おー錦川!お帰り!」
「はいっ、ただいまです大地さん♪」
何か試合をしていたのだろうか、大分息があがっている。
「何か試合してたんですか?」
「まぁ色々あって3vs3で試合を…な。」
「お疲れ様です♪」
周りにはまだ見たことのない部員、1年生が数名おり、彼女のことを不思議そうに見ていた。
「あ、ごめんなさいっ1年生達にはまだ自己紹介してなかったですよねっ」
テキパキと荷物を降ろし、身なりを整えて軽く咳払いをする。
「んんン、改めて2年の錦川霜眞です♪いきなり出てきてビックリしてると思うけど、マネージャーです♪よろしくお願いします♪(ペコリ)」
「「おなしゃーす!!!!」」
「おぉ、声おっきいねキミ♪」
「お、俺ですか!?アザース!!」
特に声の大きかったオレンジ色の髪で低身長の1年生に声をかける。
「うんうん、元気なのはいいことだよぉ♪そんなキミにお土産をあたえよ〜♪」
「お土産!?✨✨」