第2章 最終兵器 ⚠
「そっ…か……そうだよね。わたしが謝るとわたしが言った意見が否定的に聞こえちゃうよねっ…言ってくれてありがと!しょーよー♪」
まさか日向の口からそんな言葉が出てくるとは思っていなかった。面と向かって相手に伝えることはできるのになぜ緊張は解けないのだろうか…。
「あ、わたし達こっちだから。また明日ね〜♪」
「ハイッ…また明日!!」
パタパタと手を振りながら別れを告げる。見えなくなるのを見届けると霜眞は田中の腕に抱きついた。
「っ!?きっ、急にどーした!?」
「…ちょっと甘えたくなって」
腕から伝わってくる柔らかい感触と温もりが思考を鈍らせる。誘ってんのか!?
「そんなにカップルに見えないのかなぁ…こんな感じにコミュニケーションの一環としてハグはありだと思ってるけど、見た人皆びっくりさせちゃうからな〜…」
「昔からハグ好きだもんな、そーま」
「りゅーちゃんと両親だけだよ、してるの」
「え」
保育園の頃からよくハグされるなぁとは思っていたが、思い返してみるとおじさんおばさんを除いて俺以外とハグしているとこを見たことがない。
「もしかして…」
「…わたしの初恋、りゅーちゃんなんだよ?親しい人以外にはぎゅーしないの!」
頬を赤らめていーっと歯を向ける俺の彼女。まさか昔から両思いだったとは…。
「うちではぎゅーするのが当たり前なんだけど、それを誰彼構わずやっちゃうと誤解を生むから心を許せる人にだけするんだよって教わったから。」
「………」
嬉しいという感情を噛み締めている田中は緩みきった表情を見せないように片手で口を覆うが耳まで真っ赤だ。
「りゅーちゃん前からぎゅーするのと後ろからぎゅーするのどっちが好きとかある?」
「はぇっ!?」
「わたしはどっちも好き!今まで結構我慢してたからぎゅーさせて!お願い〜!」
うずうずと我慢できない様子でこちらを見ている。待て待て待て腕だけでも限界なのにダイレクトにハグするとなると俺のムスコが溜まったもんじゃない。だが彼女の頼みを断わるのも男としてどうなのか…ええいままよ!
「今ぎゅーしたらエッチしたくなるのでダメです!!!!」