第2章 最終兵器 ⚠
この出来事の後、一緒に帰ったり話したりするが正直気まずい。夢の内容を調べたら「欲求不満になっている可能性あり」と書いてあり、思い当たる節がある反面罪悪感で押し潰されそうになる。部室で田中はジャージに履き替えようとズボンを脱ぎ、探すが…
「ってあれ?俺のジャージどこいった?
ここに置いたよな…あれぇ??」
そういえばさっき日向が上着をズボンと間違えて履いてた。そのあと間違えて俺のを…!?
「うぅ…」
「あれしょーよーどうしたの?お腹痛い?」
お腹を抱えながら階段を降りる日向を見かけて駆け寄るジャージ姿の霜眞。試合に出たいが、ベンチに戻されることを恐れ緊張で胃が収縮する。締め付けられるような痛さに耐えながら返事をする。
「あ、錦川先輩…」
「そーまで良いってば♪どうする?一緒に保健室いく?」
「えぇだだだ大丈夫ですすみませんすみませんすみません!」
緊張してる上、先輩から気を遣われて申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう。ヘドバンの如く凄まじく首と上半身を上下させ平謝りする様子を見て余計に気分が悪くなってしまうのではないかと心配する。すると、手すりに掴まりながら身を乗り出すパンツ姿の田中が声を荒げて日向を呼ぶ。
「ハァ、ハァ…日向ァ!下それ!俺のジャージだよ!!」
「えっ、あ…」
ジャージのサイズが合っておらず、ズルッと下に落ちる。緊張のあまり自分の物と間違えてしまったようだ。
「りゅーちゃんまたパンツのまま出て!女テニの部室近いんだから迷惑かけちゃダメだよー!」
「うっ…」
霜眞はパンツ姿を見慣れた様子で田中に注意した。
霜眞もいたのか…。股間を抑えながらトボトボ部室に戻る。ダメだこんなとこで勃起したら!鎮まれ!俺のムスコ!
「んも〜………。しょーよー、履き替えた後まだ気持ち悪かったら言ってね?」
「は、ハイ!すみません!」
ずり落ちないようにズボンを持ち上げ階段を上る日向を見守る。
「りゅーちゃんのズボン…ハッ!」
思わず口にしていた言葉に驚き慌てて口に手を当てる。
ちょっと良いなぁ〜って思って気付いたら声に……誰も聞いてないよね?ふぅ〜…。独り言の声量で呟いた為周りの生徒には聞こえていなかったようだ。