第2章 最終兵器 ⚠
――翌日の放課後
「りゅーちゃーん!おまたせー!」
「お、おう!」
マネージャーの仕事を終え、パタパタと田中に駆け寄る。
「もしかして緊張してる?」
「いやっ、べ、別に緊張なんかしてねーしっ…」
『もしかしたらワンチャン…』と昨日のムフフ妄想を少し引きずっており、謎の理由で購入したゴムを密かに持ってきていた。
…いやいやっ今日は最終兵器を食べにきたんだ!
ムフフな展開があるわけないっ!
「今日どのぐらいいられそ?21時前には帰りたいよね…」
「そうだな…」
親にはそーまん家で食べてくるから遅くなると伝えてある。
今は18時を過ぎており、料理を作るのにかかる時間と食べる時間…これらを考慮すると最低でも1時間はかかる。
食後のデザートもあるかもしれないし、雑談とかゲームとかマンガとか…
「りゅーちゃん??」
「ほへっ?!」
「さっきから妙〜に真剣な顔してなに考えてんの?うち着いたよ〜」
霜眞の家に着いたことに気付かないぐらい普段あまり使わない脳をフル活用したらしい。
リビングに入ると澄んだ空気が肺を満たす。
昨日とは比べ物にならないぐらいキレイに掃除されている。
「パパっと作ってくるから映画でも観て待っててね〜!」
映画か…何があるんだろ。錦川家DVDBOXを眺めていると、あるタイトルが目に止まった。
こ、これはっ…!
密室で男2人と死体が閉じ込められているあの超有名グロサスペンス映画っ!!!!
脚本が凝っていて伏線回収がすごいとウワサの…
…観たい
まだ観たことない、ネタバレされてない、結末めっちゃ気になるという好奇心を原動力にDVD本体を取り出し、これから食事だということを忘れプレイヤーに入れる。