第3章 俺の部活動。
パシャ、パシャリ
いつものように瀬呂が家路をたどっていると、公園から聞き慣れない音がした。
驚いて覗き込めば、カメラを覗いて片膝を立てたプロっぽい格好の律が。
「なにしてんの…?」
「写真を撮ってるのよ。蝶々のね。」
思わず声をかけてしまったことに一抹の後悔を抱える瀬呂だったが、思いのほかスムーズに進んだ会話を少しだけ心地よくも感じた。
律のレンズの先にはキラキラと飛ぶ瑠璃色の蝶。
ヒラヒラハラハラと緊張感のない蝶の前で、ピリッと緊張したガチの律。少しだけアンバランスで、瀬呂はくつくつと喉の奥で笑った。
目標物を心ゆくまで撮り終えた律は、ふぅと一息ついて定位置、ベンチへと足を進め座る。
センターではなく、あえて端に。
そして瀬呂はちょんとその隣へと座る。
結構、阿吽の呼吸だ。