第5章 知り得ぬ色が在るとしたなら
俺の傘下の海賊であるベラミーの噂を耳にした。
このところジャヤという島周辺で、手下を連れて暴れているらしい。
ただのチンピラが大型ルーキーなどと世間で騒がれて、気が大きくなっているのだろうが、うんざりだ。
俺は暇つぶしと縄張りの視察も兼ねてと、一人ジャヤへ飛んで来たところだった。
そこに麦わらの一味がいたのは偶然だ。
つい先日、1億と懸賞金が上がった麦わらのルフィ。
たった数人のクルーで、ワニ野郎を倒しちまいやがった。
七武海が倒されたとなると、よもや海軍も見逃せない存在となってきている。
まぁ駆け出しのガキがのことなんざ、俺にとってどうでもいい話だ。
ひとつだけ興味があるとすれば、xxxxだ。
俺らの世界でも、舞台女優xxxxを知らねェ奴はいねェ。
その美しさと佇まいは誰もを魅了してきた。
しかし、あろうことか舞台を降り、海賊である麦わらの仲間に加わったのだ。
アラバスタの一件もあって、今や船長と同額の賞金首だ。
彼女が海賊に下った理由には興味が湧いた。
なぜ、人気舞台女優という地位を捨ててまで海賊に下ったのか。
どんなツラをして、海賊として過ごしているのだろう。
後者を確かめるチャンスは、意外にも早く訪れたのだった。
予定よりジャヤに早く到着したため、プライベートホテルのバルコニーで一息ついていると、街から騒がしい音が聞こえてきた。
現地の部下によると、すぐ近くの酒場でベラミーたちが暴れているらしい。
ちょうどいいと俺はひらり飛び出し、早速様子を見に行くことにした。