第6章 第6話
その後、3人は帰っていった
二宮くんは帰り際翔に「気が変わったらいつでも連絡して」って言っていた
…でも俺はどうしても気になる事があった
潤「…なあ…」
翔「ん?」
翔はコーヒーのカップを片付けながら俺の方を向いた
潤「さっきさ、大野さんが言ってたの…どういう事?」
翔「…智くんが…って…何の事?」
潤「『待ってたんでしょ?』って言ってたやつ…」
翔「あっ…それは…」
翔は突然顔を真っ赤にして狼狽えていた
…何だよ…やっぱり向こうの世界で誰か待ってるって事かよ…
翔の反応に少し苛ついていたら
翔「あの…潤が俺の事、やっと『翔』って言ってくれたのが嬉しくて…」
…は?
潤「えっ?そ、それだけ?って言うか、俺言った事なかったっけ?」
翔「…うん…ここに来てから初めて言われた…何時も『お前』か『コイツ』か『あんた』って…」
…全然気にした事なかった…
もしかしてそれで、さっきまで寂しそうな顔したりしてたのか…?