第1章 寮生活①
doooooon!!!!!!
確かに嫌な予感はしとったけど!!!!!
大っ嫌いな雷の音、鼓膜に頭に胸に響き渡る。
さいっあくや…
「麗日さん?!」
デクくんや轟くんが声をかけてくれるが、もはやどうしようもない。雷くらいで情けないが、苦手なものは苦手なのだ。一人でいなくていいとはいえ、人にこの姿を見られるのも恥ずかしい。
平然を装うとした時には第2波がやってきたものだから、恐怖や恥ずかしさや情けなさといった複雑な感情がもみくちゃになり、頭の中が混乱し始めた。
もはや自分が何を言っているのかわからない。
上に小鳥さんでもまってそうやわ、なんて漫画のようなことを想像する。
「麗日さん大丈夫?!目が回ってるよ?!麗日さん?!?!」
「おい、…日?!…!!!、、」
声が遠くなって行く。あれ、デクくんや轟くんの声が、どっかに落ちて行く…。
そして極め付けに、第3波の雷が到来、したらしい。
よくわからないまま気がついたら、部屋のお布団の中にいた。
「…ん?なんで???」
目を覚ました頃には雷の気配はすっかり失せていたが、雨はまだ降り続いている。そして、広間にいたはずの自分がなぜお布団の中にいるのかが全く理解できない。
もしかして、雷くらいで気絶?!
いやいやまさかと苦笑しながらとりあえずケータイを開く。
時刻は20:36を示していた。
軽く3時間程度寝ていたことになる。
「!!!あかん!!!食堂!!!!!」
はっとなるがもはや手遅れである。寮の食事の時間は夜の8時までとされているからだ。
最悪すぎる…あんな羞恥のあとに、夜ご飯抜きだなんて…
ぐううう…
色気のかけらもない音が部屋に響く。
めちゃめちゃお腹すいとる…
冷蔵庫の中、確かお餅入れてたはずやし、デクくんと轟くんに謝りたいし…もぞもぞと布団から起き上がる。
起き上がったはいいものの、結構汗をかいていることに気がつく。
冷や汗なのか寝汗なのか…
どうせ食堂はしまっているし、広間の消灯もまだ。
お風呂の時間も決められているため、それまでに先にお風呂に入るか、とお風呂の支度を始めるのだった。