第2章 大人になって①
ざわついた広間からは、2人がスッと抜けて行くことに気がつかないやつの方が多かった。何人か気がついたやつは、またなーと手を振っていたが。
爆豪が去ったあと、上鳴が声をかけてきた
「いや、なにあいつ?イケメン過ぎねえ?」
あいつとは当然爆豪の事だろう、酔っているとはいえあんなに丸くなるなんて俺も思ってなかった。学生時代だったら、緑谷とは確実に大口論になってただろうし、女子を送るなんて、想像すら厳しいところである。
「俺も思った 」
なんて笑いながら、緑谷を見ると、信じられないといった顔で広間の入り口を見つめている。
「っつーか、緑谷送るとかなんとか言ってなかった?」
「…それが嫌だから、ぱぱって出て行っちゃったんだと思う…」
苦笑しながら少し悔しそうな表情を浮かべた。
あー、こりゃ三角関係ってやつだななんて上鳴が笑いながら言い放つ。そんな話をしていると、峰田とセロが突然乱入して来た。
「なになに、あいつら!2人で抜けたの?!え!!」
こいつらは相変わらず男子高校生だなって思わせてくれるからおもわず笑ってしまう。
「ああ、麗日がもうダメだ。モチみてえに離れなかった」
いかがわしさを感じさせないように発言したつもりだったが、峰田には全く効果がなく、すぐ下ネタに結びつけようとする。
変わんねえなお前は何でみんなでツッコミ入れながら、ビールのお代わりを注文する。
「それにしても」
突然峰田が普通の会話を始めた。
「爆豪、なんか変わったな、丸くなったっつーか…」
峰田でもこういうことに気がつくようになったんだなと少し感心しながら、みんなで爆豪について盛り上がるのであった。