第2章 狂い
「これはまた…」
「なんですかこれ…!」
「また酷い殺人現場だな」
「俺、こんな現場初めてですよ…」
2人の刑事が見つめる先は
女がピアノ線で操り人形のように吊られた殺人現場だった
「こんなにバラが…」
若い男の刑事が現場に散らばったバラを見て言う
「アレン、勝手に触るな!」
その先輩刑事であるイーサンが叱った
「すいません…でもこんなにバラが、どうして…?」
「被害者が大事に育てていたそうだ。それを無残にもこうして…」
「憎まれていたにしても、どうして被害者にこんな化粧を?」
被害者の唇にはバラのような赤黒い口紅、そして血を染み込ませたベッドシーツを裸に巻き付けられていた
「飾られているな…犯人には憎しみとともに幼稚な心があるのかもしれん」
「幼稚な心…ですか」
「幼い子供はこうして着せ替え人形で遊んだり、母親の真似事をして化粧をするのが好きだろ?」
「なるほど…!」