第7章 事件のすべて
そんな悪魔の囁きに全て体が支配され気づいた時には目の前でゾーイが吊り下がっていた
「ゾーイ…そんな…どうして…!」
僕は目の前の光景が怖かった
「お前がやったんだよ。その女がお前の作品だ。これでまた世界から認められることになる」
悪魔はいつだって僕に囁いて支配しようとする
「こんなの…嫌だ。作品だなんて言わないで…」
怖かった、自分が人を殺していると実感して
だから
『早く私を捕まえてくれ。これ以上罪を犯す前に』
そう警察にメッセージを伝えたはずだった
「傑作だな!捕まえてほしいだなんて!お前は認められるべき芸術家だ。無罪だ。お前を誰も捕まえることなどできない!」
僕は…芸術家…誰も捕まえられない…無罪なのだから
「そう。僕は芸術家なんだ。すべて美しく飾らないと…あの女は僕の作品に過ぎない…んはは!」
こうして僕の全てが狂っていった
ゾーイと関係を持ったのも全ては悪魔が支配をしたから
ゾーイは知り合いだし元々は知っていたけど、そんな関係になるような関係じゃなかったはずだった
「芸術こそすべて…この美しい作品をもっと世に知らしめないといけないんだ…!」
そんな想いから次はイザベラに手を出していた
いつも気づけば目の前にはピアノ線で吊られた遺体がある
でもそれは徐々に侵食され僕は悪魔に飲み込まれ、体の自由がなかった
「リリー…もう1度君との日々を過ごしたい。あの時、君に怒鳴るなんてことしたくなかったんだ…」
そんなことを今更言っても、彼女はきっと信じてはくれないだろう
「んははは!傑作だな。俺に侵食されてただ見てるだけなんてな!次は誰にしよーか?」
もうやめてくれ…僕の人生を壊さないで