第5章 快楽
私にとっての快楽はS○Xなんかじゃない…
温かい人肌に触れて愛を感じること―――
「はぁ…」
「また帰ってこないのか?」
「ねぇ、ジャックはどー思う?」
「旦那だって苦労してんじゃないのか?まぁ…飯を作って待ってんのに黙って食って帰るのは嫌いだけど」
「苦労ね…私だってしてるわよ…家事だって誰のために頑張ってるか分からなくなってきてる…」
「お前は毎日よくやってるよ…旦那を待ち続けてな」
「ありがとう。ジャックが旦那さんならいいのに…」
「何言ってんだよ。まぁ旦那の仕事が落ち着いたら2人でどこでも行ってこいよ」
「うん。そーするわ…」
こんな会話をしたのなんてどのくらい前かしら…
でもこんな相談から始まって、ジャックを好きになっていった
「そんなに泣いてどーしたんだよ!」
「っ…どーしよ…くっ…!」
「何があったんだ?」
「ジョージが…不倫してるかもしれない…」
「は?!どーいうことだ?」
「最近帰って来ないと思ってたらほかの女と歩いてたの…腕も組んで…!」
「見間違いとかじゃ…!」
「絶対にあれはジョージだった!…」
「そんな…」
「もうこれ以上、あの人のために何かするなんて無理よ…もう…あの人なんて愛せない」
「なら、俺にすれば…?」
「へ?」
突然の告白だった、彼から私を帰さないと言ってホテルへ連れ込んだ
それ以降、あの人が帰ってこない日は全て彼と過ごした
ジャックなら私を包み込んでくれるから…
あんな冷たい雨みたいな男とは違って