第4章 黒い衝動
逮捕から3年後―
警察署にとあるFAXが届く
「早く私を捕まえろ。これ以上の罪を犯す前に…もう自分を抑えきれない」
そう書かれていた
「これはどういう事だ…?」
イーサンはFAXを見つめていると
「スミス警部!事件です!」
アレンから報告を受け2人は事件現場へ向かった
事件現場にて
「これは…!」
現場にはまたピアノ線で吊られ、ベッドシーツで包まれた女の姿があった
「そんな…!犯人はハリー・テイラーじゃ!」
「あのFAX…もしや!」
今度の被害者はリリーの友人であるゾーイ・フレイザーだった
リリーの時とは違いバラは散りばめられておらず、顔には黒いリップスティックで涙が描かれていた
そして殺人現場の横にある鏡には
「私を止めてくれ。これ以上、衝動が止まらない」
と黒いリップスティックで書かれていた
「真犯人がいる…」
「そんな…」
2人の刑事にとってハリー・テイラーは冤罪だということが心に大きく響く
「ハリー・テイラーが犯人じゃないなら…なぜあの事件で指紋が…?」
「スミス警部…!」
「なんだ?」
「ハリー・テイラーが牢屋内で自殺を…」
「っ!」