第3章 導き
取調室にて
「テイラーさん…あなたは、リリーさんに好意を持っていた」
「え…まぁ、持ってましたけど…」
「あの事件当日のお昼にあなたはエバンズさん宅へ入ったと聞いていますが…?」
「あぁ…奥さんに招かれてお邪魔しました」
「なるほど、それであなたはその時何を?」
「っ…それは…」
「何か言い難いことですかな?」
「いえ…奥さんと普段何をされてるのかというお話をしてました」
「本当ですかな?あなたは旦那さんの帰りがあるとリリーさんに言われてその家を出て行った。その後、宅配をするフリをしてリリーさんを襲ったのでは?」
「っ!ちがう!僕はそんなこと…!」
「本当は会うのが次の日だと約束したのではないでしょうか?」
「それは口約束なだけですよ!僕が奥さんを殺すわけがない!」
「実は…シーツにあなたの指紋が発見されました」
「え?…そんな…!」
イーサンの言葉に反論が止まるハリー
「何かの間違いだ…」
1時間後―――
「君がやったんだろ?!いい加減に認めないか!いつまで黙っているつもりだ!もう証拠が出ているんだ!」
「っ…ぼ、僕が…しました…」
その日、宅配員のハリー・テイラーが逮捕された
翌日、新聞には大きく取り上げられ事件は解決したと思われた