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歪な夢のカケラ【ヒロアカ裏メインの短編集】

第16章 私は、愛を求め彷徨う【飯田&緑谷/闇裏→後半BL】



私は昔から両親が大嫌いだった。

私の父は私が中学一年生の時に変な宗教に入った。
そして清めの儀だと言って月に一度私を抱いた、それが高校を2年で中退するまで続いた…。

清めの儀は、全部中に出されていたから私は高校にいる間に2回妊娠して2回とも中絶して2回目の中絶の時に子宮も摘出した。

あんな汚い男の望まれない命をもう宿したくなかったし、他の男との子供ができても私はまた2つの命を犠牲にした事を思い出して死にたくなるからだ。


母も私と父が月に一度そういう事をしてる事は知っていた。
私の中絶費用を2回とも払ったのは何を隠そう母だからだ
私の母は、父からの愛に飢えた哀れな女…

自分より若くて自分より父と性行為をしている私に父を取られたという理由で嫉妬し、日常的に虐待をしていた。

警察やヒーローに相談すれば良いじゃないか?
周りはきっと私にそういうだろう

だけど私はしなかった、いやできなかった…

相談すれば確かに助けてもらえただろう、自力で逃げ出せるまで我慢しなくても済んだだろう…

でも、これで周りを頼ったら頼ったで私は周りから好奇の目で見られていただろう。

私はそれが堪らなく嫌だった。

高校を中退してすぐ私は家を飛び出した。
こんな自分の若さ以外何も持っていない私が働ける場所なんて、昼の仕事にある訳がなく私は7年間闇の世界で生きてきた。

風俗、援交、美人局…殺人と窃盗以外は粗方やった。
普通に生きている人間達は私みたいなのをヴィランだと言うんだろうけど、私にはこれしか生き方が無かった。

去年の春…仕事が全部休みのオフの日、買い物に行くために乗った電車で痴漢にあった

ヒーロー飽和社会というくらいヒーローが増えてるにもかかわらず、こういう小悪党はしぶといなぁなんて考えながらされるがままになっていたら

「あ、あの…こ、こ、この人!ち、痴漢ですっ!!」

中学生くらいの緑がかった天然パーマにそばかす顔の地味目な少年が私のお尻を触っていた痴漢の手を掴み上げて震える声で叫んだ
痴漢から私を守ってくれた少年…緑谷出久。

彼との出会いが私にとっての最初の転機だった。
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