第11章 僕が愛した人は…【緑谷出久/裏】
僕の愛した人…
高橋楓は明日かっちゃんと結婚する。
高校の頃同じクラスになって楓を見かけて
僕は生まれて初めて一目惚れした。
初恋だった。
入学初日、彼女の方から僕に話しかけてくれて
麗日さん、飯田くん、楓…そして僕
この4人はいつも一緒にいるお決まりメンバーになった。
ある日のお昼休み、楓は僕に聞きたいことがあると言ってきた。僕は期待に胸を膨らませていた。
僕と彼女が同じ気持ちでいるのでは?という期待…
『……ねぇ、出久くん
爆豪くんって今彼女いるのかな?/////』
年頃の少女らしく顔を真っ赤にして遠慮がちに問う彼女を見て
僕は目の前が真っ暗になった
「……かっちゃんに彼女?」
いるよ。なんてテキトーな事を言って彼女を諦めさせようかとか卑怯な事を考えたけど当時の僕にはできなかった。
「あのかっちゃんだよ?彼女なんているわけないよ〜」
無理に作った笑顔でそう言う僕を見て楓は心の底から良かったって顔をして胸を撫で下ろしていた。
あぁ、楓が見てたのは…想っていたのは
僕じゃなかったんだ
僕の心に嫉妬という悪魔が住み着いた。
なんでも持ってる幼馴染…
整った顔、キレる頭、優れた戦闘能力、強い個性…
そして僕の愛した楓までも………
かっちゃんひとつくらい僕がもらっても良いよね?
君に備わってるものはもらうことができないけど…せめて
僕の初恋の相手くらいは僕にっ……