第26章 【DNH企画】発情ネットカフェ【爆豪勝己/裏】
「お前、今日から俺の女になれ」
先週の土曜の夜。
寮の共有スペースのみんながいる前で爆豪勝己にいきなり言われた一言だった。
『……………はい?』
鳩が豆鉄砲を食ったような顔とはまさにこの時の私の顔のことを言うのだろう。
ポカンとした表情のまま聞き返したこの「はい?」と言う疑問系を彼は「はい」と言う肯定と認識してしまったようで、私たちの交際は半ば強引に始まった。
そして恋愛ごとに興味津々なお年頃のクラスメイト達からは茶化されたり質問されたりして私はその対応にてんてこ舞いになっていた。
そう、爆豪勝己の一言で私の平和な日常は一気に崩れ去った。
あれから丸1週間後の今になってもクラスメイト達からの質問責めが止むことはなかった。
寮の共有スペースのソファに座ってお茶を飲んでる私の両隣に三奈ちゃんと透ちゃんが座る。
「ねぇねぇ!楓は爆豪のどんなところが好きなの?」
「爆豪とどこまで進んだ?もうキスした?」
三奈ちゃんと透ちゃんはこの手の話題が大好きだからか、他の人達よりグイグイくる。
先に両隣を固めたのも私を逃さないための策略かと思うとこの2人もなかなかの策士だ。
『え、えっとね…前から言ってるけど私爆豪君とは別に……』
「え?楓爆豪のこと嫌いなの?」
三奈ちゃんが純粋に投げかけた疑問に透ちゃんもそうなの?と付け加えてきた。
『嫌いってわけでも…』
「楓どっちなのよ〜」
透ちゃんが私の両肩を掴んでゆさゆさ揺すってくる
「おい」
後ろから風呂上がりの爆豪君が来て私に声をかけてきた。
『爆豪君…』
「明日10:00に渋谷駅来い、遅れたらぶっ殺すぞ」
それだけ伝えると爆豪君は「寝る」と呟いて自室へと戻ってしまった。
「明日10:00に渋谷駅かぁ〜楓良かったね!」
「デートだぁ!デートっ!!」
三奈ちゃんと透ちゃんが私以上にテンション上がって2人してデート!デート!って叫びながら踊り出した。
『ちょ、2人ともやめてよぉ〜恥ずかしい!』
「「邪魔しないから明日遠目で見てて良い?」」
『爆豪君に爆破されたかったらどうぞ』
「「あ、やっぱ遠慮しときます」」