第22章 【路地裏企画】路地裏アンアンin爆豪勝己
今日非番の爆豪勝己は高校の時からの友人である上鳴、切島と居酒屋に来ていた。
「お!怪盗サキュバスまた予告状出したんだな」
そう言って上鳴が、携帯片手にネットニュースを見ながらハイボールを流し込む。
切島は焼き鳥を飲み込んだ後、上鳴の振った話題に乗る。
「あぁ、俺もさっきみたよそれ!今日のターゲットは溝口邸のアレキサンドライトリング!」
「あれ時価数十億するって話だろ?すげぇよな!!」
2人の会話についていけない爆豪は堪らず聞いた。
「おい、怪盗サキュバスって何だ?」
バッと二人して爆豪の方を向いた。
「爆豪…マジかよ?」
「知らねぇの!?今巷で話題になってる宝石ばかり狙うヴィランだよ!
顔は揚羽蝶モチーフのベネチアンマスクで良く分からねぇけど服装は黒のマイクロビキニに膝裏までの長さの赤いマント、太ももにレッグホルスターをつけてて靴は黒のロングブーツ
そんですげぇボン!キュ!ボン!だって噂だぜ?」
「峰田が好きそうな感じだよな!」
「だな!あぁ〜あんなエロいヴィラン一度生で見てみてぇな〜」
「……やっぱ知らねぇな」
キムチを口に入れて咀嚼し、ビールジョッキを持った瞬間。
ヴーー、ヴーー…
爆豪の携帯からバイブ音が鳴った。電話だ。
こんな時間に誰だ?そう思いつつも爆豪は電話に出る。
「もしもし…あ"?今から…ふざけんな!こっちは今日非番だ!!…チッ場所は?……三丁目の溝口邸?21時にってあと一時間しかねぇじゃねぇか!クソわぁったよ!!行きゃいいんだろ!?」
電話を切った爆豪はクソ!と言いつつもカバンから財布を取り出し、1万円を机に叩きつける。
「おい、どうした爆豪?」
「電話誰からだったんだ?」
「職場からだ!クソ、めんどくせぇ…今から怪盗サキュバスとっ捕まえてくる」
「うぇ!?今から?」
「おいおい、すげぇタイムリーだな…頑張れよ〜」
爆豪は上鳴と切島に見送られながら居酒屋を後にして事務所でヒーローコスチュームに着替えて現場に向かった。
溝口邸ーーーー。
「お疲れ様です、爆心地!」
「あぁ…」
予告状の時間5分前に爆豪は現場に着いた。
「サキュバスは毎回予告時間ぴったりに来ます。充分に警戒をっ!」
「わぁっとるわ!」