• テキストサイズ

歪な夢のカケラ【ヒロアカ裏メインの短編集】

第21章 もしも願いが叶うなら…【轟焦凍/切甘裏夢】



『お待たせ』

扉を開けて出てきた楓はフリルのついた白いワイシャツに薄いピンクののジャンパースカート、そして黒タイツに薄いピンクのパンプス。
それに薄いブラウンのコートを羽織っていた。

全体的にパステルカラーで統一された服装がとてもよく似合っていた。

丑三ッ時水族館は電車で2駅と、病院から割と近い場所に位置していたから電車で水族館へ向かった。

『わぁ〜綺麗!イルカ可愛いっ!!』

水族館に入って1番最初にあったイルカのコーナーへまず向かった。楓は写真を撮ろうとして携帯を取り出す。

『あれ?携帯…何でこんなヒビ入ってんだろ?』

楓の携帯は事故の衝撃で画面に大きなヒビが入っていて、電源も付かない。

「事故した時に壊れたんだろ、俺の携帯で撮っとくから………また今度送る」

『ん〜しょうがないか、悪いね焦凍』

残念そうな顔をして楓は水槽の中でクルクル泳ぐイルカを眺める。

また今度送る、そんな出来もしない約束をすることに罪悪感が芽生えて心と顔色が曇る。

だけど今は、楓との時間を楽しもうと思って楓に合わせて精一杯はしゃいだ。

「13:00からイルカショーやるみたいだけど見るか?」

『見たい!けどその前にご飯どうする?』

「屋台あるから何か買ってショー見ながら食うか」

『じゃ、そうしよう!』

そう言って俺は楓と他の魚のコーナーを回ったり屋台に食い物買いに行ったりしてショーまでの時間を潰した。

席について屋台で買ったハンバーガーとフライドポテトを頬張る

『んー…食べ物はイマイチだね』

「水族館だからファーストフードは微妙だな、魚なら美味かったかもしれねぇけど」

『……焦凍、水族館の魚そういう目で見てたの?』

雑談していると、イルカショーが始まって楓は子供みたいに目を輝かせながら魅入っていた。

そんな彼女を見て、ここに来て良かったと改めて思う。
イルカショーを撮るよりもイルカショーを見て楽しそうにしている楓の顔ばかり撮っていると私じゃなくてイルカ撮ってよ!なんて怒られた。
/ 218ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp