第2章 two!
「なぜ、教えてくれているのですか?」
「……いつも頭捻らせているだろ?それでまぁ……。」
「もしかして、見かねて私に教えてくれているのですか?」
な、なんて良い方なんだ!私を見かねて教えてくれるなんてしかも、分かりやすくズバズバと言ってくれてこちらも有り難い。よく分からなかった問題も教えてもらったおかげで分かるようになってきた。嬉しくては口元が上がる。
「ありがたいです!おかげで遅れは取り戻せそうな気がきます!」
「遅れ?」
自分自身にも分かった。いらん事を言ったと。10秒前の自分に怒りたい。それは降谷さんには関係ないことだと。どういう事だ?と言いたげな表情で私を見てくる。
「お、お恥ずかしい所、ぎりぎり合格だったんですよね。だから、学力的には皆と差があるんです。まぁ、降谷さんと私では天と地の差ですよね。」
あははは。と笑いながら、ノートを見る。本当にお恥ずかしい。恥ずかしがっているならそうしたらもっと勉強しろ。と感じだけどもさっき教官に言われた言葉が忘れられずにいた。自分を高めるための言葉だとは思うし、もっと努力しろよ。ていう前向きは言葉だと分かる。でも、悔しいし、容姿はどうにでも出来ないだろう。ちくしょ、アイライン濃く塗って大人な女性を演じてやる!
「すみません。」と笑っていたら降谷さんは溜め息をついた。
「悔しくないのか、そう自分で思っていて。」
「……そりゃ、悔しくですよ。でも……」
悔しい。でも、女性の警察官なんてなめられるものだ。そんな中でも生きていかなければ行けないし、それぐらいでへこたれてはいけない。
同期であり、私と成績が全く逆な降谷さんに追いついていきたい。
「それを乗り越えたら絶対に後悔する結果ではないと思うので!
今日だけはネガティブでいきます!」
「ふっ、はははは!!」
へ?何も変なことは言ってないけれど何故笑われたのだろうか?大声で笑われてなんの事なのかさっぱり分からない。しかし、馬鹿にされていないのは分かっていた。