第1章 one!
強い人になりたい。
日本の為に何かをやり遂げたい。
警察になって悪い人を取り押さえたい。
などと様々な理由の方が多いだろう。私もちゃんと理由を持っている。だからこそ、ここの警察学校に来ている。
周りには私よりも身長が高い人達。
仕方がない、試験の平均身長ギリギリ合格ラインだもの。
女よりも男が多い。
警察官って男の人が多いけれど、女も負けてられないぞ。
「わ、すみません。」
1ヶ月の特訓を終え、やっと入校式。ここに入れたことを誇りに思っては寮の前に立ち止まっていると誰かと当たってしまった。
すぐに後ろを振り向き、謝ると2人の男性が立っているけれど……失礼だが、2人とも何だか無愛想に見える。
それとドストライクの顔立ちの人もいて、じっと見つめた。
「いや、平気だ。」
褐色の男の人が言うと意識が戻った。
危ない、危ない。男の人なんて久しぶりすぎて本当にいるんだって思ってしまったよ。
すぐに退いて道を開ける。もしかして、私と同期になる方々なのかな。ご挨拶しておけばよかった!
最初は挨拶って決まっているのに!私ったらなんてぼっとしていたんだ!
何だかんだで話しかけるのに躊躇ってしまう性格で友達が1人も居ないという最悪な事態に陥っていた。
でも、寮だったら同じ同室の子ともお話出来る。と思われる!うん、頑張ろう。
今からでも呪い殺したい己の頭に喝を入れ、約半年間お世話になる寮へ入っていった。