• テキストサイズ

きみに届けるセレナーデ 《気象系BL》

第6章 トロイメライ


《智サイド》

「どうかした?」

翔が不思議そうに俺の顔を見上げる。
その表情と上目使いの視線に、またドキンとなった。

「いや、何でもない」

「そう?」

それでも怪訝そうに見つめてくる翔の視線から、逃れようと上体を起こした。

「さっ、メシ作るぞ」

「うんっ」

返事をする翔の頭を撫でると、翔も体を起こし、ベッドから降りた。

徐にパジャマを脱ぎ捨て、着替える翔。

いつもの行為なのに、翔の白い背中が顕になると、俺の心臓がまた跳ねた。

その後も、ドキドキとなり続ける煩い心音に耐えきれず
逃げるように部屋を後にした。

心を落ち着かせたくて、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し
グラスに注ぐと一気に飲み干す。

「はぁ~」

なんなんだよ一体…
今までだって散々見てきただろうが。

そもそも、俺にそんな趣味はないはずだし…
なのに、なんでこんなにドキドキしなきゃならないんだ…

相手は男で、二十歳になったばかりの子供だぞ?

……まぁ、そんな翔に、潤さんも相葉さんも惚れたんだけど…

「智?」

「うわっ!」

いつの間にかキッチンに来ていた翔に声を掛けられ
思わず声をあげてしまった。

「どうしたの?やっぱりおかしいよね?今日の智」

「そんなことないって…
急に声を掛けられたから驚いただけだよ」

「そう?智って、いつも冷静だからそんな姿珍しいなって思っちゃった」

自分でも思うよ…こんなにパニクってる俺、珍しいって…

なんだかヤバい予感がする。
/ 243ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp