第9章 愛の夢
「それにしても早かったね
流石に昨日の今日で、付き合い出すとは思わなかったよ」
「でも、お前が翔にアドバイスしたんだろ?」
「アドバイスって言ったって、翔が智に気持ち知られないほうがいいみたいなこと言うから
翔は翔の思うようにしていい、って言っただけだよ?」
「だからそれが助かったんだよ」
「なになに、どういうこと?
翔からアプローチしてきたってこと?
まさか智のこと押し倒したの?」
「そんなことしねぇよ…」
「なんだぁ…じゃあどういうこと?
俺のお陰で付き合えるようになったんだから、それくらい教えろよ」
「…キスされただけだよ」
「え!翔から?」
「いや、正確には俺がした後に、翔がしてくれた」
「ふ~ん、結局智が襲ったのか…
まぁ、智が翔のことを好きっだってわかった時点で、時間の問題だとは思ったけどね。
あんなに可愛い子が傍にいて、我慢できる訳がない」
「なんかお前の言い方…俺、ケダモノみたいじゃね?」
「そういうつもりで言ったんだけど?
実際そうだったんじゃないの?
付き合いだしていきなり抱いちゃってんだから…違う?」
「…いや、違わない」
それに昨夜は結構無理させちゃったしな…
「だろ?でもまぁ、俺が智の気持ちに気付いたときには、翔も既に智のこと好きみたいだったし
安心して見てはいられたけどね」
「え…そうだったのか?
いつから翔の気持ち気付いてた?」
「相葉さんに食事誘われて悩んでる翔を見て、『あれ?もしかして』ってね」
「あの時か…だったら俺の気持ち知ったときに教えてくれてもよくね?」
「だって、翔がまだ自分の気持ちに気付いてなかったし
それに俺が教えたら気分が盛り上がらないじゃん。
やっぱり自分たちで何とかしないとね」
ニヤっと笑ったニノ。
いやいや、お前絶対楽しんでただろ…
それでもまぁ、ふたりともそれぞれニノにアドバイス貰ってた訳だし…
何だかんだ言っても、やっぱニノには感謝だよな。