第9章 愛の夢
翔をキツく抱きしめながら、上がった呼吸を整える。
「はぁ、はぁ………ふぅ……
翔、大丈夫か?」
俺の腕の中にいる翔の様子を確認すると
眉毛を寄せ、紅く色付いた唇を僅かに開き、吐息混じりの呼吸を繰り返す。
苦悶の表情を浮かべているのに、その表情がやたらと色っぽくて息を呑んだ。
上気した頬に手を添えると、一瞬ピクリと動いた翔が、睫毛を震わせながらゆっくりと瞼を開いていく。
その奥に潜んでいた艶かしい潤んだ瞳…
「は、ぁ…」
吐かれる息もまだ熱い…
俺の中心がまたドクンと脈を打った。
「さと、し…?」
翔の手が伸びてきて俺の頬に触れた。
誘われるように翔の唇に吸い付くと、翔も応えてくれる。
「ふっ…ぅん…」
まだ翔の呼吸が完全に戻る前にキスをはじめたせいか、鼻から抜ける息も荒くて
それでも必死に応えようとする翔が可愛くて…
翔のナカにいたままの俺がみるみるうちに復活する。
自然と腰が揺れ、それに合わせてゆっくりと翔の腰も揺れる。
さっきみたいな激しさはないけど、互いとより深く交わろうと、ふたりの腰の動きがシンクロする。
「んっ、ん、ふぅっ、んんっ…」
翔が俺の頭を抱え込み貪るようにキスを交わす。
キスに夢中になってるところに、突然グンっと腰を送ると、翔は首を仰け反らせ唇が離れてしまった。
「んぁっ…やぁ…さとしぃ…」
甘い声で俺を呼ぶ…
もう一度唇を合わせ、舌を入れてやると、もう離さないとばかりに舌を絡ませ吸い付いてきた。
こんなに気持ちが伝わってくるキス初めてだよ。
テクニックだけじゃないんだな…俺もお前に教えられたよ、最高のキス。