第9章 愛の夢
《翔サイド》
ビールを飲んでる途中で智に取り上げられた。
「なんれぇ?まだ残ってるぅ…」
「寝る前に、今日はまだやることが残ってるんだよ」
智に囁かれ胸がドキンとした。
これからやることって…
こんな夜更けに、どこか出掛けるわけないし。
部屋の片付けは終わってるし…となると…
寝室に入ると、新しいベッドが置かれていた。
なんか店頭で見たよりも大きい。
部屋のスペース、かなり潰してるな。
「で、今日まだ残ってる作業は…
このカバーの取り付け」
智が目の前にカバーと枕を出した。
「え…カバー?」
なんだ…ドキドキしてた自分が恥ずかしい…
「そう。なに?
何か他のこと想像した?」
「えっ?ううん…」
慌ててカバーと枕を受け取った。
早とちりしたのは恥ずかしかったけど、やっぱり嬉しいな…俺専用の枕とお揃いの枕カバー。
ベッドカバーは智と協力して取り付けて、終わるとすぐにふたりして枕を置いて横になった。
「さてと…これでやっとゆっくりデキるな」
「うん、気持ちいいね
新しいベッドに新しい枕、それに新しいカバー」
智の方を向くと智の手が伸びてきて、頬に触れた。
「気持ちよくなるのはこれからだけど?」
身体を起こした智が、ゆっくりと近付いてくる。
「え?…あっ…」
優しくキスされ、智の顔を見上げるといつもと違う男らしい笑顔をする智がいた。
「俺の思った通りにしていいんだよな?」
その表情と言葉に胸がドキンっとなった俺は、小さく頷くしか出来なかった。