第2章 千年巡愛(猿飛佐助)
忍「おぬしとの付き合いもだいぶたつが、
相変わらず飽きぬな」
佐助「恐縮です。あきられたらどうしようかと・・・」
忍「戦国の世からじゃから五百年近くたつかの」
佐助「まあそこから数えるならそうなりますね・・・
実際は一年たつかたたないかでしょうが・・・」
忍「細かいことはいいのじゃ、長生きせんぞ」
佐助「いやどうあがいてもあなたほど生きられませんから」
彼女は俺が謙信様の忍びとして、
戦国の世にいたことを知っている。
それどころか五百年前の世から
こうして現代まで生きているというびっくり人間なのだ。
佐助「しかしこうしてこちらにいる間、
すむ部屋を貸してもらって、
共通の秘密を持つものをもつというのはいいですね」
忍「そうじゃろそうじゃろ、
あの娘との女子会もなかなか乙なものがあるが、
おぬしとの逢瀬もなかなか楽しいぞ」
佐助「しかし驚きましたし、今でも信じられません」
忍「何がじゃ?」
佐助「そのあなたの存在が・・・」
忍「信じられずともわしがここにいるのが、
何よりの証拠じゃろうが」