第34章 狐と蛇(明智光秀)
数か月のち
光秀「おい土産だ」
光秀は一軒の建物を訪れていた。
忍「何うるさいわね。
用もないのにくんじゃないわよ」
光秀「用ならあるぞ。お前を嫁に迎えにな」
忍「・・・あのねえ、何度も言うけど、
私は誰かのモノになる気はないの。
いい加減覚えて、
こんなとこ来るのやめなさいよ」
光秀「神社の巫女がお供え物を持ってきた客に、
とっていい態度ではないと思うが?」
忍「あんた、
私が巫女ではないこと知ってて、
それ言ってるわよね?」
光秀「当然だ。蛇神様?」
光秀はあのあと娘の手がかりを探しまくった。
相手の城は敵の家臣と、
城主の躯だけを残して無人だった。
信長への民をお願いする、
という文だけは残されていたが、
それ以上白蛇の行方は知らないままだった。
ある日、娘を探すうちに一つの神社を見つけた。
神だのみなんて我ながららしくないと思ったが、
どうしても娘にもう一度会いたかった光秀は、
神社の中の絵馬に願い事をしたためていた。