第31章 女城主の決断(二匹の龍編)
二人の男はその頭に大きな掌を置く。
政宗「あー・・・悪かったよ」
謙信「この程度で泣くな」
政宗「おい」
素直に謝る政宗に対し、
謙信は開き直るかのようにそう告げる。
謙信の言葉を政宗は諫めていた。
謙信「なんだ」
政宗「お前な・・・」
謙信「お前に咎められる覚えはないのだが」
忍「ひ・・・ぅ・・・」
二人の男の言い争いをよそに、
忍はいまだ泣きじゃくっていた。
謙信「・・・泣き止まねばまた貫くぞ」
謙信は耳元でそう囁く。
忍「・・・・・・っ」
忍は驚き泣くのをやめた。
忍「あ・・・あの・・・」
謙信「なんだ」
忍「これから私はどうなるのですか?」
謙信「どうしたい?」
忍「はい?」
謙信「俺たちはまだお前を食い足りない。
お前はどちらの子種とモノがよかったのだ?」
忍「そ・・・そんなの・・・」
言えませんと・・・忍のか細い声が響く。
その声に二人の男は、何か答えを導きだしていた。