第30章 女城主の決断(信玄編)
信玄「これはこれは・・・」
信玄の目線の先には色鮮やかな着物を身に纏う、
忍の姿があった。
信玄「見違えたな。どっからどうみても完璧な姫だ。
とてもよく似合っている」
忍は少しだけ気恥ずかしそうにした。
信玄「さて麗しの姫、
俺との逢瀬に行っていただけるかな?」
忍「逢瀬・・・ですか?」
信玄「硬くならなくていい。ちょっと町にでるだけだ」
忍「町・・・ですか?」
信玄「お互いの立場を一刻忘れるのに付き合ってほしい。
そう思うのは迷惑かな?姫」
忍「姫はおかしいです。立場を忘れるのに」
信玄「そうか?なら忍」
忍「・・・っ」
信玄「お付き合いいただけるよな?」
忍「・・・はい」
忍は信玄の大きな手に自分の手を重ねた。
信玄はその手を握ると、
忍の身体をするりと横抱きにする。
信玄はそのまま、城を抜け出した。
忍とともに・・・