第30章 女城主の決断(信玄編)
××城
家臣「いやはや信玄様ご足労をおかけしましたな」
信玄「いやいや俺の方こそ、
来るのが遅くなってすまないな」
家臣「しかし信玄様。
この国の女子でもさっそく泣かせたのですかな?
頬に赤い紅葉が咲いておいでですが」
信玄「どうだろうなー・・・変わった子には会ったが」
家臣の言葉に信玄は濁す。
家臣「どうぞこちらが当主様の部屋です。
我々は席を外しますので、
何かあった時はその都度・・・」
信玄「ああ悪いな」
家臣が去ったのを見届けた信玄は、
当主の部屋の襖の前で声をかける。
信玄「越後からきた“甲斐の虎”武田信玄だ。
当主様に謁見をお願いしたく参った。
当主様はいるか?」
??「います。どうぞお入りください」
襖の向こうから男にしては高い声が返ってきて、
信玄は首をかしげながらもその襖をあけた。