第30章 女城主の決断(信玄編)
信玄「新しい当主はそんなに嫌なやつなのか?」
??「さあ?ただ当主には、
ふさわしくないのはたしかですかね。
・・・お侍さん自分はこれで失礼しますね。
もう会うことはないと思いますが、
また会えた時はその時に」
少年はそういうと信玄の腕からするりと抜けると、
どこかで行こうとしていた。
信玄「待て」
信玄は思わずその大きな手を伸ばしていた。
??「・・・っ」
信玄「!?」
信玄のその手は・・・
・・・少年の胸元を思い切りつかんでいた。
??「―――――っ」
少年はそれに声にならない声をあげると、
信玄に平手打ちをかましていた。
信玄もそれをよけることなく受けた。
少年は我に返り、小さくすみませんと謝罪を述べると、
そのままどこかに走って行ってしまった。
信玄は自分の掌を見つめることしかできなかった。