第30章 女城主の決断(信玄編)
信玄「ここもいい国だな。
先代はいい当主だったと聞くし、
新しい当主にも、
いい国のままにさせてほしいものだな」
信玄は忍の国を訪れ、城下を見渡していた。
すぐに城にいくのもいいが、
まずはこういうところで、
当主の情報をつかみたかったからだ。
家臣ならよほどのことがない限り、
自分の当主を悪く言ったりはしないだろう。
だがこういう町と町人はごまかせない。
当主が悪い奴なら、
そのほころびが町の中に必ず出ているはずと・・・
ふらりと一軒の甘味処により、
団子を買うと団子を食しながら、
城下の街並みを信玄は眺め続けていた。
信玄の脳にふと甲斐の国での日々がよぎる。
信玄「さてとそろそろ当主様でも拝むとするか
野郎に会うのは気乗りしないんだがな」
信玄は団子を食べ終えるとそんなことをつぶやいた。