第29章 女城主の決断(政宗編)
政宗「側室ですますわけねえだろ。正室だ。馬鹿」
忍「せ・・・正室!?」
政宗「当たり前だろうが」
忍「だって政宗殿、そんなこと一言も・・・」
政宗「あー・・・そういや言ってなかったな。忍」
政宗は身を起こし、
バツが悪そうに後頭部をかきながら、
忍の名を呼ぶ。
忍「は・・・はい」
政宗「一度しか言わねえからよく聞け。
俺はお前を愛している。
お前は今日から俺の妻だ。
俺に愛されている限り、
お前の民も国もお前自身も守ってやる。
だからお前も素直に俺に愛されてろ。いいな」
政宗は正座をして忍に向き合うと、
忍にそう言い放った。
忍「何それ・・・無茶苦茶・・・」
政宗「そうだな。で?お前の答えは?」
忍「謹んでお受けいたします。政宗殿。
今日より私はあなたの妻となります。
不束者ですが、
どうぞよろしくお願いいたします」
忍も正座をすると、政宗にそう述べた。
国のことや民のことだけではない。
自分を守るという政宗の思いが、
忍に届いた瞬間だった。