第28章 女城主の決断(顕如編)
顕如「お前は・・・」
忍「顕如殿・・・?」
放浪ののち、忍は、
顕如の隠れ家へとたどり着いていた。
顕如も信長や謙信と、
いった相手に敗走をしていたらしく、
その身を隠している途中だったようだ。
顕如「飾りの死にぞこないが、
民を殺した私に恨み言を言いに来たのか?」
忍「まさか・・・恨むとすれば、
民や家臣に、
何もできない自分だけですよ・・・」
焼けた城や国を見た時は、
恨み言を言うつもりではあったが、
放浪ののちにその気力さえ、
なくなっていた忍は、
ぼんやりと顕如を見つめていた。
顕如「甘い男だ・・・っ」
忍「怪我・・・しているのですか・・・っ」
顕如「お前さんもな」
忍「薬と包帯を貸してもらえませんか?」
忍はそういうと、
顕如から薬と包帯をうけとり、
顕如の傷に薬を塗り、包帯を巻いていく。
顕如「・・・っどういうつもりだ・・・」
てっきり自分のためかと、
そう思った忍の行いに、
顕如は思わず声を荒げる。
忍「気まぐれです・・・」
忍はそういうと顕如の手当てを終え、
顕如から距離を置こうとした。