第28章 女城主の決断(顕如編)
戦当日、
多くの血や命が犠牲になっていた。
越後や安土の龍側だけでない、
忍の国の民も・・・
忍「顕如殿・・・話が違う・・・」
いや話が違うのではない、
顕如はおそらく最初から、
そのつもりだったんだろうと、
忍は気づいていた。
二匹の龍を退治するなどと、
都合のいいことをいって、
顕如は最初から信長という鬼が狙いで、
民はそのための傀儡にしか過ぎなかったことを・・・
忍は傷を負いながらも、
命だけは助かり、
逃げているのか顕如を探しているのか、
もはや分からないほどふらついた足取りで、
彷徨っていた。