第28章 女城主の決断(顕如編)
忍は顕如の住まいを訪れていた。
顕如「誰だ?」
忍「××国城主、忍です」
顕如「そうか・・・お前が」
忍「顕如殿・・・
お願いがあります」
顕如「何だ?」
忍「民を巻き込まないで下さい。
二匹の龍はたしかに、
我が国には脅威です。
しかし民は関係ありません。
生贄なら私一人なりますから・・・」
忍は顕如に懇願をする。
顕如「今の今までそ知らぬふりの、
お飾り当主に何ができる?
家臣ひとり御しきれぬお前が、
鬼や龍相手に何ができようか」
だが顕如は冷たく言い放つと、
その住まいから有無を言わさず、
忍を追い出した。
忍は追い出された後も、
しばらくは外で顕如に懇願を続けていたが、
やがて悲愴をにじませた顔になり、
顕如の住まいを後にした。