第28章 女城主の決断(顕如編)
忍「お前・・・今なんと・・・?」
家臣「ですから民を、
顕如殿に貸し出すといったのです」
忍「どういうつもりだ!!」
家臣「どういうつもりも何も、
顕如殿は織田信長と敵対する身、
そしてそのためならば、
軍神すら敵に回す男と聞きます。
二匹の龍どちらとも倒すのが、
我が国にとって、
最善と考えた次第ですよ」
忍「民を巻き込んで何が最善だ。
ただの悪手ではないか!」
家臣「若。あなたは運よく父君の寵愛と死で、
家督を譲り受けただけの、
いわば飾りだということをお忘れなく」
自分の意見など聞いていない。
そんな口ぶりの家臣に、
忍は屈辱に耐える。