第27章 女城主の決断(信玄ほか編)
信玄「ん?となると君は本物の当主様か?」
忍「ええ。立場上はそうなりますね」
信玄「へえ、だが先代の子は息子と聞くが・・・」
忍「その息子が私ですよ。
まあ正確に言うと息子じゃなくて娘ですが」
信玄「理由を聞いても?」
忍「別にかまいませんが、
面白い話ではないですよ?」
信玄「それは俺が判断するから大丈夫だ」
忍「・・・先代には寵愛する一人の女がいたのは、
おそらく信玄殿もご存じでしょう?」
信玄「ああ、一人息子を生んで死んだ話もな」
忍「その一人息子が私ですよ。
本当は新しい妻でも迎えるのが、
当たり前だっただろうに・・・
母を愛しすぎていた父はそれをしなかった・・・
私を守るために・・・」
信玄「なるほど、それで息子と偽ってまで、
君を当主にしていたのか・・・
どうりで情報が何もでないはずだ。
で、謙信の傘下になりたい・・・
といったのはなぜだ?」
信玄はふと問う。