第27章 女城主の決断(信玄ほか編)
信玄「君が悪いわけじゃない。
あの戦狂いは先代との、
斬りあいを楽しんでいたからな。
君とそうはならなくてつまらないと言っていた」
忍「私では謙信殿の相手はつとまらないですよ」
信玄「だろうな。俺から見ても君が手練れには見えない。
で、本題だ。本物の当主様はどうした?」
笑みを浮かべていた信玄だったが、
ふいに笑みを消し、
忍にそう問いかける。
忍「!?どういうこと・・・ですか?」
信玄「先代の子は息子と聞いているが、
君は女の子だろ?」
信玄の言葉に忍は、
ただただ目を見開き驚くだけだった。
忍「・・・気づいていたんですか」
信玄「俺が女の子に気づかないと、
そう思っていたなら心外だな」
忍「さすが甲斐の虎は誤魔化せないか・・・
言っておきますけど性別は偽っていますが、
当主は偽ってないですよ」
忍はため息をつきながらそう答えた。