第25章 女城主の決断(謙信編)
忍「もともとあなたとは、
やりあうつもりなんてなかった。
あなたかもう一人の龍か、
いずれかの傘下に入るつもりだったのに・・・
あなたがここに攻めてきたせいで、
すべて台無しだ」
謙信「どういうことだ?」
忍「やりあって気づいたでしょう?
私には先代ほどの民や国を守る力がないことを、
されど私が力をつけるまで、
あなたや信長殿や周囲が、
待ってくれるとは思えない。
だから私の身と引き換えに、
あなたか信長殿かに下るのが、
国や民を守るために最善だと思った。
・・・謙信殿、頼みがある」
謙信「断る」
忍「まだ・・・何も頼んでおりませんが・・・」
謙信「大方、自分は殺されてもいいから、
民や家臣には手を出すな、
とでもいうつもりだったのであろう?」
忍「さすが軍神」
謙信「馬鹿にしておるのか?」
謙信は心底嫌そうな顔をする。