第25章 女城主の決断(謙信編)
会合の日。
ある一室に謙信と忍はあいまみえていた。
忍「本当に来たんだな」
謙信「酒を用意したとなれば来ぬ理由はなかろう?
で?なぜ女子が戦場にいた」
忍「・・・あなたが私の国に、
攻撃なんてしかけるからだ」
謙信「ふざけておるのか?」
忍「本当だ」
謙信「・・・?どういうことだ?
先代の息子はどうした?」
忍「・・・先代に息子なんかいない。
子は私だけだ」
謙信「だが、息子が生まれたと聞いているぞ」
忍「それはすべて嘘だ。
私を守るためのな・・・」
謙信「どういうことだ。答えろ」
忍「ああ・・・言うてやるよ。
先代と先代の正室が残した子供が私だ。
だが、先代の正室は私を生んで死んだ。
普通なら新たな正室を探すはずだった。
当然だ。跡取りが必要なのだからな。
だが先代は首を縦にふらなかった。
そんなことをすれば、
正室の忘れ形見である私の・・・
立場や居場所が危ういとふんだんだろう・・・
だから周りの国には、
息子が生まれたと嘘の情報を流した。
あなたの言う先代の息子とは私だ。軍神。
さぞがっかりしただろう?
先代の子が私みたいな弱い女で」
忍は悲し気な笑みを浮かべた。