第23章 生贄の花嫁(真田幸村)
二人は湯からあがり、着替えると、
主にあてがわれた部屋にきていた。
幸村「・・・っ」
そこには褥が一組しかなかった。
風呂で意識したばかりの二人にとって、
気まずすぎるものであった。
忍「・・・えっと・・・どうする?」
幸村「お前が使え。俺はあっちで寝る」
雨がやまず今日は帰れそうにないと判断した幸村は、
諦めたようにそうつぶやいた。
忍「え?幸が使っていいよ。
私は押し入れでも寝られるから」
幸村「それ逆に気になるからやめろ」
忍「・・・え・・・そう?」
幸村「そうだよ!」
忍「・・・ねえ幸」
幸村「なんだよ・・・」
忍「幸が嫌じゃなかったらいいよ。一緒でも」
忍は幸村にそう告げる。
幸村は眼を見開く。