第23章 生贄の花嫁(真田幸村)
ある日
信玄の使いで幸村と忍は、
春日山城から少し離れたところにいた。
幸村「甘味の使いに俺ら、
二人とか何考えてんだ。信玄様」
忍「本当だね。何かあったらどうすんだろ」
この場合の何かあったらは、
自分たち二人にではなく、
自分たちが留守の間に、
信玄に何かがあったらという意味で、
忍は幸村にそう聞く。
幸村「まったくだ。
さっさと用事すませて帰ろうぜ」
幸村がそんなことをつぶやいたとき、
空が暗くなり、猛烈な雨が降ってきた。
幸村「うわ・・・やべえ、忍!急ぐぞ!!」
忍「うん」
二人は慌てて目的地を目指す。
幸村「うへえ・・・
着物が濡れて気持ちわりー・・・」
忍「本当・・・帰ったら湯あみしないとね」
幸村「そうだな・・・」
幸村は忍の方を見ずにそうつぶやく。
幸村「あー・・・少しは水絞ったし、中入ろうぜ」
忍「そうだね」