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イケメン戦国短編集

第3章 天邪鬼の仕返し(徳川家康)


忍は体を起こし恐る恐る語り始めた。
忍「その・・・あのとき家康は今川の人質で、
    俺は今川の武士だったよな・・・」
家康「まあそうだね。忌々しいけど」
忍「その時にさ・・・
    最初かわいい弟分が・・・
    できたみたいに思って・・・」
家康「失礼すぎるんだけど、で?」
忍「で・・・それだけじゃなくて、
    将来絶対こいついい男になるって、
    予感もして・・・」
家康「・・・っ・・・それで?」
忍「それでその・・・男のふりしているけど、
    女として欲しくなって・・・
    その・・・あの時からずっと家康が好きでした、
    あんなことしてごめんなさい」
俺に頭をさげる忍に、
目の前にいる彼女はもう憎らしい敵ではなく、
愛する一人の女であることを感じていた。

俺も体を起こすと、
忍の体をそっと抱きしめた。
忍「家康?」
家康「俺もあんたが好き・・・」
忍「でも俺は・・・」
何かを言いかけた忍の唇を自分の唇でふさいだ。
今川だとか徳川とか今はそんなの聞きたくはなかった。
家康「ずっとあんたがほしい。
   今度はあんたが俺のものになってよ」
あの時とはもう違うというように忍に告げた。

悪夢はもう見なかった。

終わり


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