第20章 狐の手ほどき~後編~(明智光秀)
御殿へ着くや否や、
光秀は忍を褥へと押し倒す。
忍「なぜ・・・」
光秀「指導の続きだ。今宵は最後までする・・・
といったらお前はどうする?」
忍は目を見開くと、
やがて覚悟を決めたかのように光秀に答える。
忍「光秀様が望まれるのなら、
いくらでもこの身を捧げましょう」
今度は光秀が驚く番だった。
光秀「阿呆が・・・そう簡単に言うものではない」
忍「今まで簡単に好き勝手していたのは、
光秀様ではないですか」
光秀「・・・小娘の世話などするものではなかった。
こんなことになると知っていたら、
初日に無理やり奪っておいたものを・・・」
忍「光秀・・・様?」
光秀「俺の負けだ。お前に男を教えるつもりだったが、
どうやらいつの間にか教えられていたのは、
俺の方だったようだな。
お前が俺にお前という女を教えた」
忍「それってどういう・・・?」
光秀「世話役でも間者でも指南役でもない・・・
ただの男女として、
お前に触れ、お前を愛したい。
そう言ったらお前はどうする?」
光秀は忍にそう問いかける。