第20章 狐の手ほどき~後編~(明智光秀)
政宗の御殿にて
忍「ひ・・・ぅ・・・」
忍は一人涙を流していた。
光秀「おい」
そこに光秀がふらりと現れる。
忍「み・・・光秀様・・・?」
光秀「本当に泣いていたのか・・・」
忍「あっ・・・これはその・・・」
忍は慌ててその目をこすり、
涙を止めようとした。
だが一度流れてしまったその涙は、
止まる気配がない。
光秀「言わなくともいい」
忍「光秀様はどうしてこちらに?」
光秀「・・・お前を迎えに来た」
忍「え・・・でも・・・」
もう私のこといらないのでは?
忍は光秀にそう問いかける前に、
光秀は、忍の手をするりとつかむと、
自身の御殿へ足早に向かう。