第20章 狐の手ほどき~後編~(明智光秀)
光秀「忍は・・・お前の御殿か?政宗」
政宗「ああ・・・あいつが、
お前のもとに戻るか決めるのは、
あいつ自身だ。だから俺は止めも奨めもしねえ。
だが・・・次こんな真似したら、
今度はその一発じゃ済まさねえぞ」
光秀「気を付けるとしよう。
ああそうだ。啼かせはするかもしれんがな」
政宗「急に余裕になりやがって・・・」
光秀「おかげさまでな」
政宗「俺の御殿で盛ったら承知しねえぞ」
光秀「それは保障できんな。それこそあいつ次第だ」
光秀はにやりと笑うと、政宗と信長の前から姿を消した。
信長「政宗。貴様わざと光秀を唆したな?」
政宗「信長様こそ」
信長「・・・世話役の任はどのみち、
解かすことになりそうだな」
政宗「でしょうね。
あの様子じゃ間者にはなれないでしょう。
できてせいぜいあの馬鹿の伴侶だけだ」
信長「伴侶か・・・忍は驚きそうだな」
政宗「いいんじゃないですかね。泣かれるよりは」
信長と政宗は光秀が消えていくのを見届けた後、
そんな会話をしていた。